4月29日 初日
大会開催の準備はしてきたつもりです、しかしこのスポーツは天気次第、雨なんか降ろうものなら選手は時間の浪費に苦労するのです。
そして、お金も掛かるし何も生まれてこない。見事に晴れてくれました。開会式、役員挨拶がじれったくなるほどの天気なのである。
若手のタスクコミッテーが組んだTO→長瀞→幸来橋→米高→千代田→MLDの総距離60.58km タスク距離57.3kmの盆地漫遊タスク。
ダミーも上がり始める頃には、高ツムジ独特の風がコロコロ変わるテイクオフ場所に悩まされながらも次々に選手は飛び出して行った。
予想の雲低を遥かに超え2600mまで獲得した選手もおり全員ゴールするのではないかと嬉しいやら、一方ディクオリティーが下がるのでは
ないかと変な心配もあったが中々のタスクにそれなりのゴール者数であった。しかしこの中に定連選手が少ない。大門選手もゴール
できなかったのでした。トップ選手の一団が次々にLD、後の集団がゴールと言う結果になった。温まり始めの地面が引き起こすシンク
帯にはまり滑空計算通りグライドが出来なかったのではないのかと思われる。
この日のトップゴールは加藤実選手、最速タイム選手は安東選手であった。地元大友選手、マックス伊藤選手、松本選手もゴール。
トップ6人の軌跡   トップ6選手ログ Zip


4月30日 Day2
今日も良く晴れ渡り静穏天気。マタマタビックタスクを期待しましたが、置賜盆地をクロスするような難易度の高いタスク。
TO→幸来橋→亀岡文殊→米高→中郡→MLDの総距離55.71km タスク距離51.9kmに決定。
今日も予想雲低を超え2600mまで上げきった選手もあり、間違いなくゴールは出来るタスクである。
正にスピード競争、相変わらずの西へ東へとテイクオフ。これが無ければテイクオフ時間も一寸は短縮出来るのだが・・
そんな中まだテイクオフしていない選手も居るというのにゴールへ向かっているトップ集団の情報が入りだした。
昨日の二の前は踏まず確実空気を読みきり大門選手がトップゴール、最速ゴールはアバラ骨を痛めている板垣選手。
次々とゴール者が今日もあり、タスクフニッシュ時刻間際にもゴール者が、結局19人のゴールが出た。
しかし、昨日の成績との絡み合いでまだまだ上位選手がドン伝返しとまではいかなかった。
トップ6選手のログ Zip     トップ6選手の軌跡 パラだ


5月3日 Day3
1日、2日と雨のためキャンセル。2日は午後から晴れだしお遊びターゲット大会。ターゲットを踏んだ選手は無かった。
一番近かったムタゾノ選手が賞金をゲット。もらえる物は何でも嬉しいですね。
さて、晴天ではあるが2日間の雨でかなり湿気、強いサーマルは期待できないが、確実に雲低は高くなっています。
閉会式の事もあり早めのタスク設定なななんとビックタスク。TO→幸来橋→亀岡文殊→米高北→荒砥→中郡→MLDの総距離101.4km、
タスク距離97.6kmに決定。本日も西へ東へ南へのテイクオフ、時間が掛かるこのタスクに選手たちは早めのテイクオフへと進んだ。
雲低も徐々に上がりだし、線路山でどっかり上がりスタートと幸来橋へと向かう集団の塊が確認された。そんな中機体破損で落下事故も
発生したが選手も無事で大事には至らなかったが救急車を依頼した為一寸大げさになってしまった。
さて、トップ集団が荒砥をクリアの情報、中郡に進んでいるとの情報、しかし、中郡付近で次々とLDの報告、一人だけ飛んでいるジョニーに
期待が掛かったがゴールにはいたらなかった。86kmの最長が今日のトップであった。
トップ6選手のログ Zip    トップ6選手の軌跡



総合で桂選手が優勝、2006年度日本選手権者に輝いた。女子初の日本選手権者には中村英絵選手が輝いた。
おめでとう御座います。そして各参加選手の皆さんありがとう御座いました。

多数の画像をyahooにアップしました。

優勝 2006年度ハング日本チャンピョン桂選手のレポートです。非常に参考になります。

です。長文でスミマセン。大会レポートです。

4月29日(土・みどりの日) 日本選手権 初日
晴れ。南東風。
ハンググライダーTO用に平坦に整地された標高690mの高ツムジ山頂は、米沢盆地の北東角に位置する。その360度見渡せる眺望は素晴らしく、例年より残雪の多い蔵王・朝日・飯豊などの山々が遠くに白く輝き、美しい。競技の舞台となる米沢盆地は標高200mのまっ平らな平地で、その中を最上川とその支流が細くうねりながら流れている。

この日、東から押してくるコンバージェンス系の好条件に、若者中心のタスクコミッティーは、TOから19km盆地西奥の長瀞橋→幸来橋まで戻しておいて→盆地を南南東へ16km縦断して米沢工業高校(米工)→12km盆地を北上して千代田焼却場→さらに北東6km足らずでメインLZゴール、という60.5kmタスクを組む。

大会初日の常で開会式などが押して、12時半頃やっとゲートオープンしたら、メインTO西正面のブローが止まり、桂は東のランチャー台から出る羽目に。ようやく回り込んだ十分一山TO東のボールで何とかキツいサーマルを引っ掛け、そこへ他の上位陣も合流。13時00分の第1回目のスタート時刻の直前には、桂、一人抜けた2300m(基本的に高度は標高表示)。そのときジョニーと大門がその下100mでさっさと出発。桂はまだ上がっていたが、ここはワールドクラスのエキスパートについて行って、そのフライトテクニックを勉強させてもらうのみ。新しい機体を始め機材の調整に成功していて好調の桂は、他のパイロットを置き去りにして先行する2機を余裕をもって観察することが出来た。ジョニーはまめにドルフィンを使い、大門は慎重にリフトラインの選択を行っているようだ。

トップ集団はほぼそのまま第1パイロン長瀞橋を折り返し、1000mを切って第2パイロン幸来橋の手前の平地で上げなおしを図るが、タイミング悪く中だるみのうちに後続集団が続々と出現。ここで桂はジョニー等とはぐれたあと、ようやく1200mまで上がってきたところで後続を振り切るべく幸来橋へ走って400m半径GPSパイロンシリンダーをヒットすると、そのまま米工へ向けて単独南下開始。3kmほど先の川の土手から立ち上がる煙を目指す。対地300mくらいで到着、川の合流点で渋いサーマルを引っ掛け煮詰めているとトノヤン登場。最近なぜかよく一緒になる若き暴君マツもお約束のように登場。好調の桂、ここでも2人より高く上がるが、2人は東からの大きな雲の影が数km先に現れたのを見て、1000mちょっとでさっさと移動。もったいないが桂も1200mから後を追う。予報どおりのコンバージェンスライン。軽く2000m超。後はグライドに物を言わせてマツとトノヤンを振り切り、米工リターン。8km北上して高畠の町で上げなおしを図る。

町の東側、高速道路沿いに崩れたリフトの雰囲気を探りながら、結局、町の北側まで抜けてやっと渋いサーマルの粒にすがりつく。また対地300mを切ったか。素直だが弱いサーマルで、南東風でどんどん流されていく。上がりは遅いが、流される向きは最終パイロン千代田焼却場へほぼオンコース。ここは手堅く流れに身を任せ、焼却場手前で1000mを越えた。もうファイナルグライドには充分過ぎる。さて、最終パイロンをとろうとしたら、なんとトノヤンがすぐそばにいる。さすが選手宣誓で自ら老獪な妖怪と名乗る現日本チャンピオン。で、もって2人で快調にゴールへ向けてグライド開始。気がつくとマツもいる。負けてたまるか。70〜90km/hのグライドで、3人並んで気持ち良くゴール。対地50m。そのまま3人てんでにランディング。この日の判定では、桂はGPS2秒差でトノヤンに続いて6位。桂のGPSは5秒毎に記録する設定だが、西富士でもマツに1秒差で大会順位までもって行かれている・・・。結局24名ゴール。最後16時半過ぎに京都HGの若者リョウスケもゴール。トップはアントン。ミノル、ヒロシ、砂間が続く。

ゴール手前に何機か降りていると思ったら、大門、板垣、ジョニーだった。タイトなトップ争いに加え、実際、不運なシンク&強いアゲンストがあったようだ。いきなり実力者達を襲った悲運に勝負の行方は混沌としてきた。


4月30日(日) 日本選手権 2日目
晴れ。南〜南西風。
午後には崩れるという当初の予報より好転した気象条件で組まれた55.7kmタスクは、TOから11km西の幸来橋→平地上を南東13km亀岡文殊→南下8km米沢工業高校→米沢市街の北側を通って北西9km中郡(ちゅうぐん)駅→フォローを背負って14kmメインLZゴール。

初め、なかなかキレイに上がる条件にならず、開始が遅れた。さらに南風が割れて入って来るTOでは、風向きも西だか南東だかムニャムニャで、シードゾーン桂は迷った挙句、西向きランチャー台から出る。1200〜1400mくらいからなかなか気持ちよく上がりきらず、南陽市街北縁の烏帽子山にもリフトを探しに行くが、結局、その後ろでトノヤンがヒットしたサーマルで一緒に上げて皆でスタートラインへ向かう。幸来橋8kmエンタースタートライン内に入る前にもうひと上げして、2回目スタート時刻の13時10分にスタート開始。大門、トノヤン、氏家、太田、鳥海らと動く。このとき北側にいた板垣、ジョニーを見失ったと思ったら、彼らは南陽市北側の山地へ突っ込んで高く上げておいて第3回以降の遅いスタート時刻から一気にマクリに賭ける逆転の秘策に出ていた。

第1パイロン幸来橋をとって平地上へ出る。やはり細くうねる川筋がサーマルのトリガーポイントだろうか。いち早く先行した大門が、川沿いの浄化センターあたりでサーマルを探し出す。すぐに桂・トノヤン合流。あっさり上がりだす。桂、本日も好調な上がりっぷり。1800mくらいまで上げたかなあ?下の2機が動き出し、桂も第2パイロン文殊に楽につけると動き出す。

しかし大門とそれを追うトノヤンは、文殊へ向かうよりやや南方向へ川筋沿いにグライド。まさか、タスクが変わって次のパイロンがいきなり米工と言うわけでは無いだろうが、お構いなしに桂は単独で7km直線的にグライドして1200mで文殊のお寺パイロンをゲット。この大きなお寺を抱く文殊山は、米沢盆地パイロンでは唯一といってよい対地300m以上の高さの山トリガー。一発でそこそこのサーマルヒット。ところが、その桂の上100m以上に大門登場。落ちない川沿いに迂回するラインどりで一気に高度差逆転。しかも、そのまま桂の上をスルーして第3パイロン米工へ向かう。しかし、続くトノヤンは桂の100m下に入り、しかもタイミング悪く、うまく上がっていかない。ドンドン上がる桂は一気に差を広げ、2000m近くまで上げる。

この辺で湿った積雲が広がりを見せ、近づく雲底を嫌って桂は移動開始。米沢から福島へ抜ける栗子峠方面が変に白く霞んでいる。後で考えたら、降雨域 だった。途中で弱いサーマルを少しかまいなが
ら、第3パイロン米工をとる。次の最終パイロン中郡駅へ向かうと、前方の米沢市北縁の高いところで上げている機体が見える。数km進んだ桂もそこであっさり2000m以上まで上がる。最終パイロン中郡駅は目の前。後はひたすらゴールへことも無くグライド。最後は100km/h出してもゴール上で高度が200mくらい余った。実力発揮の大門がその2分前にゴールしていた。桂、本日2位のゴール。

そのあと20分近く経って上位陣が続々ゴール。高速でゴールしたジョニーの華麗なループと素晴らしいランディング精度は、我々とは隔絶したグライダーコントロール能力を印象付け、これだけでも見ものだった。第4回目、第5回目のスタート時刻からマクリに賭けた後発組は、逆転するほどのタイムは出せず。

これで、2日間しっかり飛べて、早くも日本選手権成立条件を満たした。2日目を終えた総合成績はミノルがトップ。僅差で桂、ヒロシがこれを追う。

夜、南陽市街の市民ホール「えくぼプラザ」で恒例の盛大なレセプション。南陽市長をはじめ来賓、そしてアトラクションのゴスペルグループとも楽しく交流。赤湯温泉自慢の烏帽子山の桜も例年に倍する美しさだった。


5月1日(月) 日本選手権 3日目
雨。風弱し。
朝から競技キャンセル。
午前中はジョニーや他のトップパイロットらの話を聞くセミナー。

ジョニーは、ランディングもとても上手くて格好よいし、その卓越したグライダーコントロールは何処から来ているか質問すると、"practice"〜「ひたすら飛んで練習することです」。我々が意識しなくてもバランスをとって足を動かして自然に歩くことができるのと同じように、たくさんの練習量の上に、当たり前のようにあんな素晴らしいコントロール能力が備わっていくとのこと。

また、大門は米沢の平地のトリガーはやはり川の湾曲・合流部がかなり機能していると指摘。最上川沿いに飛ぶと落ちずに動ける、とのシークレットも明らかにした。

午後は他の選手や役員勢と、村山のそば街道や長井・白鷹のさくら回廊へ繰り出す。国指定天然記念物、伊佐沢の久保桜は特に見事だった。

5月2日(火) 日本選手権 4日目
曇りのち晴れ。南西風弱くのちやや強し。
山頂を隠す雲底が徐々に上がり、とりあえずTOに上がるが、11時過ぎに競技キャンセル。アキュラシー(ターゲット)大会をやろうと、それから機体を組んで20名ほど飛んだら、低い雲底の吸い上げソアリング。文殊や千代田まで足を伸ばし、ターゲットから何1000mも離れたところに降りてしまったパイロットもいた。午後遅く晴れ間が広がったら風が強めでちょっと不安定になった。


5月3日(水・憲法記念日) 日本選手権 5日目最終日
ほぼ快晴。南西風。
本日は視程が良くなり、高ツムジTOから見渡す遠くの雪山が一段と美しい。すでに大会成立条件を満たしており、最終日にもかかわらず思い切って米沢盆地を2回縦断する長距離の101kmタスクが組まれた。幸来橋→亀岡文殊→米沢工業高校手前の羽黒神社→一気に30km北上して白鷹の荒砥ゴールパイロン→25km南下で中郡駅→14km北上メインLZゴール。今まで以上の好条件にならなければ、距離伸ばしのサバイバルになる可能性もある。

桂はとっとと南東のランチャー台から12時00分頃TO。しかし12時30分以降のスタート時刻を過ぎても1000〜1200mくらいで、上げきれず、スタートにはやや心もとない。スタートライン手前の烏帽子山も余り上がらず、烏帽子山公園の色鮮やかな桜がいっそう目に染みる。最終スタート時刻の前の13時23分、1400mまで上げきったところで、前方に少し積雲も出来、ミッチー達とGPSスタートラインへ進む。

ミッチーはすぐに北の低い山地側へ消えてしまい、単独、第1パイロン幸来橋を折り返した桂は、対地300〜400m、初日に上げなおした細い川筋で渋く上げ始める。と、その下をマツがスルーして数km先の千代田焼却場付近へ突っ込み、低いところからクルクル上げ始める。気がつくとジョニーを始め、何処に隠れていたのか上位陣が次々現れ合流。上がって行くとマツと同じ雲の下についた。ここでもやはり他の機体より高い桂は、余裕で第2パイロン文殊へと向かう。

文殊山の北西斜面で回している機体が見えたので、とりあえず文殊山のはるか上空についてサクサク上げだす。ジョニーたち他の機体は文殊パイロンを低く取って文殊山の南斜面でゴニョゴニョやってる。桂、早くも1300m。南斜面の集団はやっと上がりだしたが、まだ桂からは500mくらい差がある。見ると、西側の平地においしそうな雲がある。地上に移る影は1kmくらい先か。この雲底につこうと動くが、意外と遠く、その間に低かった集団が勢いよく上がり始めた。さらにシンクまで喰らい始めた桂はあわてて戻り、結局、上がっていく集団の下層部にいるアントン、大沼に合流。上の組には行かれてしまったが、順調に上げて次の米工手前の羽黒神社パイロンへ向かう。

羽黒神社パイロン付近で皆と上げ、いよいよ北30kmの白鷹の荒砥パイロンを目指す。動き始め、平地の中の低いナメクジ山(戸塚山)付近、板垣と桂が交錯しながら飛ぶがリフトの手応えなし。1000mを切る。先行する集団が5km先の高畠の町で上げている。やっぱりそこでしょう、と突っ込むが、高畠の町の西縁の最上川のサーマルはちょっとお休みに入り、攻めすぎた桂は危うく降りそうになる。苦しかったが、町の中、対地150mから何とか上げなおす。

ジリジリ回していると西南西風でいいように流されて900m。先で回している集団を見つけたので動く。千代田焼却場手前で上げなおして1200m。荒砥パイロンは、この5km北の南陽市の宮内市街のその奥10kmにわたって広がる降りる場所がない深い山地の向こうになる。それは怖いので、桂はそのまま最上川沿いに幸来橋まで西寄りに迂回するコースを取る。

幸来橋手前、梨郷(りんごう)の国道付近に次々と降りる機体を見下ろしながら、伊佐沢の細い谷の中を北上。700mでありついたとても渋いサーマルを引っ掛け、谷の東奥へ流されながらやっと900m。荒砥パイロンまで12km。まだ谷の北端の山を越えてを荒砥側の平地へ抜ける高度にならない。

もう16時だ。タスクフィニッシュタイム17時00分までに大会本部に電話連絡を入れないと本日のフライトは失格0点となる。いきなり北へ抜けるのは避け、ピンクの華やかな久保桜を上空から眺めつつ伊佐沢の谷の中を西進して長井市街へ抜ける低い峠を探る。そのまま最上川の向こうに長井市街を見ながら、川沿いの高さ100〜150mくらいの山並みを北上。堤防の桜並木が美しい。川辺のデイケアセンター脇の対地200mでちゃんとしたサーマルに出会い一息つく。と、言っても小さな粒サーマルで上昇率はそれほど良くない。しかし、回していると南南西風でかなり流れるので、荒砥ゴールパイロンには確実に近づいていく。2週間前のクロカントレーニングのときみたいだ。

流されながら回し続けていると、3機、伊佐沢の谷の中を低く南下する機体が見える。(結果から見ておそらくアントン、板垣、氏家。)荒砥パイロンで対地1000m以上に上げきれれば、あれくらい行けるだろう。下の低い山並に足尾学生トミー発見。若者も頑張ってるなあ。あ、もう1機低く戻ってきた。(結果から見て、大門。)最上川の上に出てサーマル漂流を続けるていると、荒砥ゴールに1機、その手前にも1機、降りた機体が見える。もうすぐ荒砥ゴールパイロン、もうすぐ1000m(対地800m)、もうすぐ16時40分。

失格にならないために、ここで回すのをやめて目の前の荒砥パイロンをとり、南に向かってファイナルグライド開始。7km進んで降りる。16時50分過ぎ、すぐに報告電話を入れる。ほぼ5時間も飛んだのに、疲れは感じない。3日間、楽しく飛べました。都合、5・6機、先に行ってるはず。その中にミノルもヒロシもいなければ・・・、なんてことよりも、早く機体をたたまないと砂間が回収に来てくれる。

この日トップは実力発揮のジョニー86km。続いて板敷の横山79km、荒砥ゴールに降りていたのがミノルだった。ヒロシも荒砥に届かず。20歳代の若者を僅差で逆転し、47歳の日本チャンピオン誕生。晴れがましい表彰式もさることながら、皆からの祝福の言葉が嬉しかったです。