心肺蘇生法


もう一度生きるチャンスを!
心肺蘇生法とは?

心肺蘇生法は次のような順序で行います。

1意識の確認  
2助けを呼ぶ  
3気道確保    
4呼吸の確認  
5人工呼吸    
6循環の確認  
7心臓マッサージ

この順番を覚えるのに秋田の消防署で面白い歌を作りました。
(ぜひ歌ってみてください。)
1意識の確認

ホントはただ寝ているだけの人にいきなり口をつけたり,胸を押したりしたらひっぱたかれますから ホントに意識が無いのかを確認します。
相手の耳元で肩を叩きながら呼び掛けます。
「小泉さん? 小泉さん! 小泉さーん!!!」
声も叩く力もだんだん強くしていくのがポイントです。
意識があれば目を開けるか、体を動かして反応します。けっしてガクガクと体を揺するようなことはしないでくださいね。
2助け(人、救急車、AED)を呼ぶ

心肺蘇生法を行う前に、まずこれだけはやって下さい。
でないと延々と一人で心肺蘇生法をやり続けることになります。
電話番号は119番,ご存じですよね?
3気道確保

空気が肺まで通りやすくする事を気道確保と言います。
仰向けに寝ている場合は舌が喉の奥に落ち込んで気道を塞いでしまいます。
そこであごの先を指でしゃくりあげるように上方に引き上げます
自分の頭を見上げるような格好になります。
こうすると舌の根っこが引き上げられ、空気が通りやすくなります。
横向きに寝ている場合も同じようにあご先を引き上げてあげます。
4呼吸の確認

相手が息をしているかどうかはちょっと見た目には良く判りません。
そこで相手の口元に自分のほっぺを出来るだけ近づけて,息や鼻息が触れるか10秒以内確認します。
その時,目線は相手の胸やお腹を見ています。
息をしていれば胸かお腹が上下しますので判ります。
5人工呼吸

まずはちゃんと息が吹き込まれるように 気道確保 をします。
次に相手の鼻を摘んで、鼻から息が漏れないようにします。
そして相手の口を覆い隠すくらい自分の口を大きく開け、ゆっくり息を吹き込 みます。
吹き込む量は相手の胸が少し膨らむ程度です。

これを2回行います。
相手が見知らぬ人で直接口を付けるのが嫌な場合は,布等を当ててその上から吹き込んでもいいです。
最近は相手の口に直接触れずに人工呼吸が出来る器具が市販されています。
もし息を吹き込むときに抵抗が感じられた場合は、もう一度きちんと気道確保をやり直してみてください。
それでも吹き込めなければ、喉の奥に何かが詰まって気道を塞いでいる可能性があります。
異物を除去して下さい
循環(心臓が動いているか)サインの確認

人工呼吸を行った後、次の3つのうちのどれかが無いかを10秒以内で確認します。
1・十分な呼吸を始めた。
2・咳き込んだ。
3・体が大きく動いた。
もし、上記のうち一つも見られなければ、心臓は停止しています。心臓マッサージが必要になります。

7心臓マッサージ

循環のサインがなければ心臓マッサージを行います。
相手の胸の脇に立ち膝で立ち、両手を重ねて心臓の真上を、リズミカルに垂直に押 します。
一般に心臓は左の胸に有ると思われていますが,実は少し左側にせりだ している程度です。
心臓は胸の真ん中に有ります。
ですから胸の真ん中を押すことになりますが、正確に心臓の上を押さないと効 果が無いので、押す位置を探す方法が有ります。

まず足側の手の、人差し指と中指の2本で、患者の一番下の肋骨の下面を上方に向かってなぞっていきます。
そのままみぞおちの所まで中指を進めます。
今度は人差し指に反対の手の付け根を添えます。
添えた手のひらの付け根の下が心臓の位置です。
(ちょっと言葉で説明するのは難しいですね・・だいたい、乳首と乳首を結ん だ線上で、体の真ん中位です。)

押すときは手のひら全体ではなく,手の付け根に力を集中して,もう片方の手を重ねて両手で胸が3.5〜5センチ沈むように垂直に押します
押すリズムは1分に100回,リズムが分からない人は心の中で歌を歌いながら押しましょう。
これを15回続けます。
15回やったらすぐに人工呼吸を2回行い、また心臓マッサージを15回とい うように繰り返します。

人工呼吸と心臓マッサージのサイクルを,救急車が到着するか、呼吸が戻るまで延々と繰り返します。
呼吸が戻ったら心肺蘇生を一旦中断して様子を見ますが、もし弱くなっていく ようならまた心肺蘇生を行います。

・・・・だらだらと文が長くなってしまいました。
要点だけ書いてみます。

  • 押す位置は胸の真ん中
  • 押すときは手の付け根に力を集中して垂直に押す。
  • 押す力は胸が3.5〜5センチ沈むくらい
  • 押すリズムは1分間に100回のリズム
  • 押す回数は15回,終わったら人工呼吸を2回、これを延々繰り返す。
心肺蘇生を止める時期我々救急隊員の中止基準としては手首の動脈で50回/ 分以上で、十分な自発呼吸、となっていますが、一般の方は呼吸が戻るまで行った方が良いと思います。
後は救急隊が到着するか、あなた自身がそのまま心肺蘇生を続けると危険な状 態になるかです。
どうか勇気を出して頑張って下さい。

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