飯豊連峰における情報提供の方法

 2019年6月29日に飯豊連峰の山小屋関係者が集まって開催された「飯豊連峰山小屋サミット」において、関係者だけではなく一般登山者も含めた「情報収集システム」について協議が行われました。そのひとつとして、ヤマップ(もしくはジオグラフィカ)を用いた情報収集を試行してみることになりました。つきましては、下記の方法でご協力くださるようお願いいたします。

 あらかじめスマートフォンに「YAMAP(ヤマップ)」などのアプリをインストールしてください。次に自分が登る山域の地図をダウンロードしてください。ここまでは、wi-fi(ワイファイ)がつながる場所でやると便利です。
 位置情報をオンにしてGPSを作動してください。圏外が予想される場合は電力節減のため「機内モード」にしてください。YAMAPを作動させ「登る」をクリックすると、それ以後の軌跡と現在地が表示されます。GPSの性質上、作動直後は異なる場所が表示されることがあるので留意ください。また十分な予備バッテリーがない状態でGPSを作動させると、不測の場合危険ですので、必要に応じて作動させてください。
 図01のような画像が表示されたら、「スクリーンショット」を行い表示された画像を保存してください。スクリーンショットの方法は機種によって異なります(使用しているスマホの「機種名とスクリーンショット」で検索してください。私の機種はホームキーと電源キーを同時に長押しを行います)これで正確な位置が画像として保存されました。
 次に、カメラを作動させ、問題の場所を撮影してください。図03は倒木が登山道を塞いでいる様子です。この画像で、倒木を処理するためには手鋸で良いのか、チェーンソーが必要なのかが分かります。
 スズメバチの巣の場合は若干複雑です。オオスズメバチ(キイロスズメバチの一部)は地中や樹洞に巣を作るので、巣の発見が難しいのです。最初に図04のように、巣がある場所の全体を撮影してください。YAMAPのデータだけでは、おおよその場所は分かりますが、正確な場所は分かりません。そこで画像と現場の光景を見比べながら、場所を特定していくのです。
 保存された画像は、ギャラリーのアルバムの中に保存されています。アルバムの中はさらにカメラ、スクリーンショット、LINEなどに分れて保存されているようです。目的の画像を開いたら、「デコレーション」の中の「スケッチ」を選択します。すると指でなぞるだけで印を付けることができました。図04では黒色で囲んだ場所に蜂の巣があると示しています。
 さらに蜂が出入りしている蜂の巣の入口を撮影します。これで画像は3枚になりました。肉食であるスズメバチは狩りを行うために、あちこちを飛んで獲物を探しています。蜂が飛んでいても刺激をしなければ刺しません。問題は巣が登山道の道脇や直下にある場合です。登山者が歩くことによって大量の蜂が飛び立ち、登山者を襲います。このような巣は撤去する必要があります。そのために巣の正確な位置が分かる情報が欲しいのです。
 最後に、「iide@ic-net.or.jp」または「daiguraone-isikorobizawa@docomo.ne.jp」井上宛に、画像を添付してメールで送ってください。小国町の管轄内であれば、「NPO法人飯豊朝日を愛する会」で処理をします。管轄外であれば、喜多方市の「飯豊AGC」や胎内市の「飯豊胎内の会」に転送します。
 ここでは、井上が使用しているスマホをベースにして、倒木やスズメバチの事例を述べましたが、登山道や車道の崩壊、滑落の危険性がある残雪、遭難の発生、水場の状況なども同様な方法で連絡をいただきたくお願いいたします。またツキノワグマについては、視認された場所に数日間滞在する場合が少なくないので、同様な方法で連絡をいただければ幸いです。
 いただいた情報は、関係者と共有する他、「飯豊朝日連峰の登山者情報」などに掲載します。つきましては、情報提供者の氏名(もしくはペンネーム等)の公表の是非も教えてくださるようお願いします。
 

図01 青丸が現在位置、▲は進行方向 図02 今回の画像は櫛形山脈で撮影しています
図03 倒木
図04 蜂の巣 全体
図05 蜂の巣 拡大

終わり