研究用として若干の在庫を残し、完売とさせていただきます。大変有難うございました。 2008年08月18日
内容:山形県小国町の沢名(1,000強)・主たる地名を掲載。サイズは80cm×110cmが3枚(小国町を3分割)。25,000分の1地形図(カラー)。筒入り。
問=何故、この地図を作ろうと考えたのですか?
答=小国町は飯豊連峰・朝日連峰を始め、大小の峰々が聳え、数多くの沢々が流れています。このため遭難も多数発生しています。しかるに、遭難者が自分達の遭難場所を正確に伝えることのできない例が大変に多いのです。一方、救助隊員も地名を知らないため、無線による捜索場所の連絡がままならず時間や労力の浪費が発生し、遭難者の生命を脅かし経費が高騰する原因になっています。現在は人工衛星を利用したGPSが普及しつつありますが、GPSは空の狭い渓谷では正確な位置が割り出せませんし、高価なため利用には限度があります。詳細な沢名の入った地図の必要を感じました。
問=何故、カタカナ表記なのですか?
答=時折正確な地名を教えてくださいと尋ねられますが、国土地理院・林野庁・国土交通省・市町村が作成利用している地図や登山用市販地図を集めて比較すると、同じ場所が異なる地名で記載されている例が驚くほど多く見られます。これは、地名の基本が地元の方々からの聞き取りなのに対し、聞き取り者の耳が方言に慣れていないため誤って聞こえてしまったり、異なる場所と勘違いしたり、山をあまり知らない有力者を聞き取りの対象者にしたり、想像で勝手に漢字を当ててしまったり、地図が不正確であったりしたために起こったものと考えられます。そこで今回は地元の山人が自ら調査し、カタカナで記入してもらいました。
問=どのようにして調査したのですか?
答=小国山岳会々員の井上が30年ほど前から、様々な公的機関の支援を受けながら、様々な地図や文献を調べたり、個人的に町内各地区を回って聴き取り調査を行っていました。しかし小国町の面積が余りにも広大すぎること、集めた資料を統合することが難しく独りよがりになる危険性が高いことから、行き詰っていました。
そんな話を何気なく小国町猟友会の方に話をしたら、猟友会でも地名をどのようにして後進に伝えていくのかを悩んでいたのです。そこで小国町猟友会と小国山岳会が共同して調査し出版することに話がまとまりました。小国町は地区単位に6班で構成されています。これまで井上が調べた原図を各班長に渡しました。各班では熊狩り後の反省会等を利用して、原図の誤りを正し、地名を追加する作業に取り掛かりました。その過程では、班員どうしの意見が食い違ったり、誰も知らない沢があったりして、既に現役を引退した先輩に教えを請うなど、いろいろな苦労があったと聞いています。
こうして現役のマタギの方々が、先輩から引き継いできた自分達のフィールドの地名を後輩のマタギに伝えていくために、自ら相談し考えて作り上げたものです。
問=何故25,000分の1地形図なのですか?
答=小国町は大朝日岳の山頂から飯豊山の山頂に至るまで737.5kuという大変に広い面積を有しており、その96.3%が林野です。これを1枚の地図に収めようとすると50,000分の1地形図が限界なのですが、それでは沢名を書くスペースがなくなってしまいます。また実際に山を舞台としてどのような行動を行うのか説明するためには、25,000分の1程度の詳しさが必要になります。このため、小国町を3分割にしてでも25,000分の1にこだわりました。
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