【 2017年06月10日/朝日山地森林生態系保護地域巡視員会議/井上邦彦報告 】
昨日、朝日山地生態系保護地域巡視員会議を終了し、山形山岳会・八幡山岳会・小国山岳会合同ミーティングに参加すべく鳥海山の鶴間池小舎に向かっていた。天候は時折激しい雨が降る曇りである。
国民宿舎鳥海山荘との分岐を過ぎて牧草地を走っていた時、15:45前方右手に見慣れた黒いものが目に入った。車を停めて確認するとやはりクマである。窓をあけて数枚写真を撮る。そのままゆっくりと車を前進させて近づき、さらに撮影する。
車外に出て撮影しようかと思ったが、こちらの気配はすでに悟られている筈である。ドアを開いて車外に立てばクマは移動をするだろう。せっかくの機会である。もう少しこのまま観察を続けることにした。
車道の前方左手から牧草地を耕しながら大きな耕運機が近づいてきた。それでもクマは動かない。耕運機がちょうど私の側に来た時、クマはゆっくりと立ち上がり灌木の中に姿を消した。ずいぶん長い時間に感じたが、画像の撮影時刻をみるとわずか2分間のできごとであった。
八幡山岳会のメンバーによると今年の鳥海山は融雪が遅れており、この道路も終点までは行けないし、例年なら盛りになるネマガリダケのタケノコはまだ早いということであった。
それでも今朝、下ってくる時はあちらこちらにタケノコ採りと思われる車が車道脇に止まっていた。もしかすると上部のタケノコが遅れているので、クマも人も標高を下げているのかも知れない。クマによる事故のないことを願いながら帰途についた。
25mm相当の広角で撮影ドアミラーの上部に見える黒いものがクマである。 |
こちらを凝視しているように見える。 |
私の気配は感じているはずだが、無視? |
顔を上げて周囲を見回す。 |
600mm相当の望遠で撮影。今回の画像は全て一切トリミングをしていない。 |
ゆっくりと立ち上がる。 |