山のことあれこれ 74

2013年01月28日:弱層強度測定器の試作
 来月は小国山岳会主催雪山技術講習会や山形県山岳遭難救助訓練がある。当然ながら雪崩に関する訓練も予定されている。その中で弱層テストは、ハンドテストと圧縮テスト(コンプレッションテスト)が中心になると思われる。問題は両者とも力の入れ方が微妙であり、客観性の確保が難しいことだ。そこで訓練用に弱層の強度を計測する道具を試作してみた。
 材料は下敷きの大きいもの(45cm×35cm)だけである。295円の札が貼られていたが、既に減価償却は終わっている。これをハンドテストを念頭に腕の幅として10cmに切って両端にキリで穴を開け、適当な紐を通した。下敷きにした理由は雪に差し込みやすいからである。完成したら長いテープをセットし、20kgまで測定できるバネ秤を繋いだ。 

材料の下敷き かなり使い込んでいる
この試作品で実験したら、紐が短すぎて失敗
これが改良型
圧縮テストと同じ雪柱を作り、後ろの切れ目に試作品を差し込んだ
バネ秤の目盛りを見ながらゆっくりと力を入れた 2kgで雪が動き始めた
動いた新雪を取り除き再度セットしたら、7kgで弱層から崩壊した
上の段が試作品を差し込んだ跡 下の段から崩壊した
雪柱を切り出すために使用したスノーソーを切断面に置き、弱層の雪を観察した
メッシュは1mm幅である 雪は「濡れざらめ」と思われる
さらに雪柱にセットし引いた 秤限界の20kgでも動かず、秤を外して引いたら根本から崩壊した

おわり