私達が山で見かける足跡の主は誰だろう?山形県の飯豊連峰総合学
術報告書によると、生息している主な哺乳類は、ウサギ・リス・モモ
ンガ・ムササビ・ヤマネ・ツキノワグマ・タヌキ・キツネ・テン・イ
タチ・オコジョ・アナグマ・カモシカ・サルである。この他にネズミ
類やハクビシンがいる。
このうち、オコジョは高山に棲んでおり、見かけることは少ない。
クマ・ヤマネ・アナグマは冬眠するので、今の時期に姿を見かけるこ
とはない。
猿は親指だけが開いた人間型なので間違えることはない。カモシカ
は先が2つに割れた蹄型、最近小国に入り始めたというシカ以外に間
違えることはない。ウサギは2つの棒に小さな丸が2つで特徴的である。
リス・モモンガ・ムササビの足跡は蝶々の形、モモンガとムササビ
は樹上で生活をしているので、地上の足跡は概ねリスと考えて良いだ
ろう。着地痕があり足跡がリスよりも大きければムササビ、小さけれ
ばモモンガの可能性が高い。
足跡の指が4個あると、イヌの仲間である。基本的にイヌは放し飼
いしていけないので、タヌキかキツネだろう。キツネは胸幅が狭いの
で、足跡はほぼ一直線になることが多い。タヌキはガニ股で足跡の中
心線から左右の足がずれ、右に2個、左に2個の順に並ぶことが多い。
なおタヌキは冬眠しないが秋に皮下脂肪を貯め、冬期は殆ど出歩かな
い。
足跡の指が5個あると、イタチの仲間であるテンかイタチだろう。通
常は尺取り虫のような歩き方をするので、右足跡と左足跡は中心線を挟
んだ同じ場所に並んだ歩き方をすることが多い。忍び足や疾走する時な
どは足跡が変化するので、行動を推測してみたい。
テンの足跡幅は3~3.5cm、イタチは1.5~2.5cmと大きさが異なる。
イタチの前足の指は4個しかつかないことが多いので、複数の足跡を観
察する。
ネズミ類は尻尾が長いので、引きずって歩いている。ハクビシンはタ
ヌキ「の足跡に似ているが、基本は樹上性である。
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