TS-600 6mバンド オールモードトランシーバのレストア(参考にされるのは結構ですが実践は自己責任でどうぞ〜)

 高校生の時分、憧れていたけど買えなかったリグっていうのがある。元々VHFには出てなかったんだけど、出るなら6mっていう気持ちはあって、浪人して東京の大学入試を受けに行った時、衝動的にTR-1300を買ってしまった。本当はTS-600が欲しかったんだけど10万円以上するモノバンドリグはどうしても手が出なかった。それから大学に行くために上京するまでのふた月、TR-1300と3エレ八木で局数を稼ぎまくった記憶がある。みぞれ降る中アンテナをたてたが、いつの間にか春が来て、アンテナをたたむとおいらは東京に旅立った。あのふた月で友達になったローカル局はどうしただろうか?元気にオヤジになっているんだろうか。
TR-1300は、1.5Wくらいしか出ないQRPリグだったけど今でも持っている・・・。

 つうわけで、最近TS-600を手に入れてしこしこレストアしてました。


 いやー、やっぱしかっこいいねー。目盛板はアナログで1Khz直読。二重バーニアダイアルがぐりぐり動く。感動しました。実はパネルはだいぶきれいになりましたが、到着当時はタバコのヤニで結構黄ばんでました。オレンジオイル入り洗剤でフキフキしてようやくべたつかなくなったんですが、においはまだ残ってます。タバコすわなくても部屋の中までくさくなります。

 で、30年前のリグですから当然不備はあるわけで、いろいろ手を入れなければなりません。まず症状を列挙してみます。
1:モード切替不良
2:キャリブレーション切替不良
3:VFO発振不良
4:全体的に受信感度低下
5:各部電源電圧不正

というとこでしょうか・・・。

 対処法ですが、ネット上に散在するレストアページを探してはチェックしていくほかに、CQ出版社『アマチュア無線機のレストア入門』も読みました。
上記1,2についてはSunhayatoの接点清浄剤を吹き付けて汚れを取り去ることで何とか正常化しました。なんだか温暖化の原因になりそうなガスですが、大丈夫か?これ。

3についてはどのサイトでも、書籍でも言及されている障害です。VFOユニットを開腹してバリコンのローターのアース接続を回復してやらなければなりません。結局、接点清浄剤でベアリングとリーフバネの洗浄と接触回復剤の塗布で何とかごまかしました。これは部品製造段階での欠陥でしょうね。5球スーパーの超古いバリコンでも接触は維持されていましたから。バネの強度不足が原因でしょう。
 固定チャンネルの表示ランプはただの点灯方式でなくて、局発周波数の発振信号を整流してトランジスタに流してスイッチングしているものですから、VFOの発信が不安定だとランプが消えたりついたりするんで故障がすぐわかります。本来固定チャンネルに水晶が入っているかどうかを知るためのインジケータなんでしょうが、これは便利ですね。

4については、この時代のIF段によく使われていた日立の2SC460Bを健全なものに取り替えることで対処します。このTRは足が銀メッキされており、いかにも高級そうなんですが、何でも長期間電流が流れるとイオンマイグレーションという現象が起きて腐食を始めるそうです。
 

 ヘテロダインユニット(X50-1360-00)の一部です。中央の黒い角形の懐かしいお姿が2SC460Bです。足が真っ黒に腐食しているのがおわかりでしょうか?この裏にシールド板があるため交換は保留していますが、左端の交換済みTRと比較してください。こちらも銀メッキ品ですのでいずれ時間がたてばまた真っ黒になるんでしょうけど・・・。そのころまだ生きてるかな?
 これが劣化部品の王者2SC460Bの実態です。このTRは新型になって普通の形のTO-92パッケージになるらしいんですが私は未見です。樫木総業で1個20円で買えますが、手にはいるのは古い形ですね。hFEランクが合えばC461も同様に使用できるはず。写真右側が交換したTR群。全部で10個以上交換しました。足の黒化はもっとひどかったんですがhFEをチェックしたんである程度汚れを落としました。新品が混じっているのは交換予定品のhFEチェック時にはねたものです。(10以下のが2本混じっていました。やっぱりこのTRは危険ですね。)
 交換したものもチェックしましたが、規定値以下に下がっていたのは数本のみ。他は規定値をクリアしてましたが中にはテスタに突っ込んでいると10秒ごとに1づつ下がっていく怪しい奴も・・・。



 左から代替え品種の2SC1675L、古い2SC460B、参考に懐かしいお帽子型2SC733(これは東芝製でなくセカンドソース品のようです)。いっそ2SC1675Lが手に入ればこれに全部交換した方がいいと思います。
 同様の黒化TRにC458もありますがこれも交換した方がいいかも。古いが2SC372があればOK。本機のような10Mhz台の無調整水晶発振回路には、ポピュラーな2SC1815GR(AF用)でもそのまま差し替えて十分な強度で発振してくれます。

 あと、VFOユニット内のバッファ段に使われている2SC460Bが2個ありますがこれもちょっと面倒なので交換保留ということにしておきます。VFOの出力電圧は600mVp-pでした。

 あー、あとはサービスマニュアルを手に入れないと駄目ですね。