花粉・受粉について
【Q1】 さくらんぼは同じ種類では受粉しないと書かれていましたが、違う種類
といっても さくらんぼのなる木かつ種類の違う木ということでしょうか?
それともさくらんぼのならない木でも違う種類ということになるのでしょうか?
私の家にはさくらんぼのなる木がありますが毎年花だけ咲いて散ってしまいます。
これはちょっとくやしいのでそのしくみを正確に知りたいのでぜひ教えて下さい。
お願いします。ちなみにその品種はナポレオンだったと思います。
 《田中さんより》
【A1】 植物は、めしべに花粉がつくとで結実しますが、この花粉が問題となります。
さくらんぼなど多くの果樹は同じ品種の花粉では結実しないことが多いようです。
つまり、同じ品種の花粉を受粉しても実はならないということです。
(実がなったようでも、果実として成熟しません。)
また、相性の良い花粉(品種)があり、ほかの品種であれば何でも良いというわけでは
ありません。このため、「佐藤錦」と「ナポレオン」といった相性の良い2〜3種の
さくらんぼを、同じ園地に混植しているのが通常です。佐藤錦をメインとすると、
受粉樹(花粉用:といっても立派に実がなります)のナポレオンは30%程度が適当
といわれています。
【Q2】 それぞれの,花粉を売買していますか?
家には、ジャンボ錦とナポレオンの木がありますが、実がなりません。
それにあう花粉をさがしているのですが、場所が悪いのでしょうか?
 《池中さんより》
【A2】 当JAでは花粉の販売は扱っておりません。また、ジャンボ錦の花粉がどの品種と
交配和合性があるのか不明です。そのため、ジャンボ錦とナポレオンの2品種で
結実するかも不明です。「佐藤錦」という品種を導入することにことによって「佐藤錦」
と「ナポレオン」の両方が結実すると思います。
さくらんぼの好む場所は「排水が良く」、「通気性」のよいところです。
日かげ、排水不良、土の硬いところは嫌います。
【Q3】 私は園芸店を営んでいますが、さくらんぼの受粉関係がよくわかりません。
佐藤錦・高砂・ナポレオン、どの品種がどれに対して受粉樹に適しているか
教えてもらえませんか?
 《岡崎さんより》
【A3】 さて、受粉樹の件ですが、受粉樹の条件としては、親和性があることが必要です。
さくらんぼはその品種だけでは受粉しません。
親和性は、佐藤錦には紅さやか、ナポレオン、高砂、大将錦、高砂には佐藤錦、ナポレオン、
ナポレオンには紅さやか、佐藤錦、南陽、大将錦があります。
しかし、開花時期が合わないと受粉できません。 開花の早い順は高砂、ナポレオン、佐藤錦の順です。
畑に植える場合は、受粉樹が3〜4割必要となります。
【Q4】 サクランボの人口受粉についてお知らせ下さい。
1.佐藤錦(約15年木)2本とナポレオン(約4年木)1本を庭に植えています。
  毎年鈴なりの実が、結実前に茶褐色となり落下してしまいます。
  2年前から毛バタキで花粉を付けているが結果は同じです。
  そこで人工受粉の具体的な方法、手順を教えて下さい。
2.りんごの人口受粉では、花を取って対応するようですが?、サクランボの花の処理方法、
  花粉の作り方は?
3.人工受粉時の時期(天候・温度等)、注意点等。
 《弘前市・Kさんより》
【A4】 ■さくらんぼの受粉について■
(1)毛ばたき
・水鳥などの毛を使います。(化繊は静電気が発生しやすい)
・5分咲と、満開(8分咲)の、最低2回行ないます。凍霜害を受けたり、開花期が低温の場合は、
 開花始めから天気の良い日を逃さずこまめに受粉します。
・柱頭への花粉付着量が多いほど花粉管の伸長が旺盛になり結実は安定します。
・めしべの受精能力は、開花当日〜3日後まで高く、以降急激に低下します。
(2)採取花粉の利用
・風船状〜開花直前の蕾を採取します。
・花をバラし、花びらなどを除きます。(ザルやふるいで)
・黒い紙(発生した花粉が見やすい)に薄く広げて、20〜25℃で開葯します
 (コタツ等を利用して)。
・開葯後、おしべの軸などを除き(ふるいなどで)、薬包紙やパラフィン紙に包みます。
 乾燥剤と一緒に、フィルムケースや茶筒に入れて冷蔵(冷凍)庫に一時保管します。
 (湿気があると花粉の寿命が短くなる。−20℃なら長期貯蔵が可能です。)
・自家用なので、ボンテンで受粉するのが良いと思います。
 (耳かきの毛のようなもの、弘前ならJAで入手可能と思います。)
・発芽率がりんごの半分位しかありませんので、希釈せずにそのまま受粉します。
(3)その他
・風が強い場合は、開花期の防風対策を徹底して下さい。
・凍霜害は大丈夫ですか。(開花期にめしべが茶色になっていませんか?)
【Q5】 大阪のマンションのベランダでナポレオンを5年前から植えていますが、毎年、花見だけで
終わっています。そこで昨年、自家受粉する種類の暖地を植えて、ナポレオンにも両方に受粉
させようと思っていたら、花の季節が違い暖地は4月初旬に開花してしまい、ナポレオンはまだ蕾です。
そこで教えていただきたいのですが、
1)暖地の花粉を回収し、冷蔵庫などでナポレオンが開花するまで保存できるのでしょうか?
2)ナポレオンの開花時期が八重桜と同時なのですが、交配できないものなのでしょうか?
 《高槻市・桧皮さんより》
【A5】 一般的にさくらんぼは、一品種だけでは結実しないという自家不和合性の性質を持っております。
したがって、結実させるためには他品種の花粉を交配しなければなりません。
ただし、他品種であれば何でも良いわけではなく、相性があります。
暖地さくらんぼとの和合性についてはこちらでは検討していないので何ともいえませんが、開花期の異なる
品種の花粉の貯蔵方法及び受粉の仕方は以下の通りですので、お試しください。
まず、開花直前の暖地さくらんぼの花をとり、おしべの葯の部分だけを紙の上に取り出します。
できるだけたくさんとってください。これに卓上ライトをつけっぱなしにして、できるだけ近づけて
一晩おきますと、葯から花粉が出てきます。これをカメラのフィルムケースなど密閉できる容器に
入れ保管します(シリカゲルなどで乾燥状態にして貯蔵するのが理想)。
保管する際は必ず冷凍庫(−20℃以下が理想)に入れてください。ナポレオンの花が咲いたら、
冷凍庫から貯蔵花粉の入った容器を取りだし、その容器が常温になるのを待って、綿棒でナポレオンの
めしべに暖地さくらんぼの花粉を付けます。満開の時期に1回、2日後に1回の計2回ほど受粉すれば
結実すると思います(交配和合性がある場合)。開花する時期に土壌が乾燥すると結実に影響しますので、
毎日水をかけてください。なお、八重桜のような鑑賞用の桜と、ナポレオンのようなさくらんぼは同じ
サクラ属ですが、種(しゅ)が違いますので、交雑の和合性は非常に低くなります。両者の結実の可能性
はゼロではありませんが、ほとんど結実しませんので、ナポレオンの受粉樹にはなりません。
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