ムシバ予防とフッ素の効果

フッ素は、歯質を強くする

1.歯の表面のエナメル質を溶けにくくする
2.ムシバをつくる細菌の力を抑える
3.初期のムシバの自然修復(再石灰化)を助ける

他の条件が同じならフッ素の応用によりムシバの発生をやく七割減少させることが出来ます
フッ素を塗ると歯が黒くなると言う人がいますが、フッ素自体で歯が黒くなることはありません。「サホライド」と言う別の薬品によるものです

フッ素の応用

1.フッ素洗口
 低い濃度のフッ素溶液でうがいをする
2.フッ素錠剤を服用する
 日本では認可がおりていません
3.フッ素塗布
 歯科医院で歯に直接比較的高い濃度のフッ素を塗る
 年に2〜6回位塗るのが効果的です
4.水道水にフッ素を添加する
 日本では試行的にしか行われたことがありません


 
 

フッ素の齲蝕予防のメカニズム
 フッ素は歯エナメル質の無機質と反応して歯質の耐酸性を増強し,歯質を強化することにより歯に齲蝕抵抗性を与える.歯に対しては,エナメル質無機質であるヒドロキシアパタイトの水酸基とフッ素イオンが一部置換して,フルオロアパタイト構造を形成し,エナメル質は安定な結晶構造となる(フルオロアパタイトの生成).歯の石灰化期では,ヒドロキシアパタイトの生成を促進し(石灰化促進作用),結晶性の高いエナメル質アパタイトを生成する.萌出後の歯に対しては結晶構造の不完全な部分(格子不整)を修復し,より完全なアパタイトに転化させる(結晶性の向上).また,齲蝕病巣にはフッ素が取り込まれやすく,脱灰層の再石灰化を促進して齲蝕の進行抑制に働く.口腔内環境に対しては細菌の産生する酵素活性を阻害し,解糖過程を抑制するので酸産生の低下をきたし,齲蝕抑制作用を示す. (歯科医学辞典 より引用)

フッ素は安全か?
ムシバ予防のために使用されている濃度は極めて安全ですが、どのような食べ物、薬品、化学物質も摂取する濃度と量によっては危険なものになります。
一般の人には無縁かと考えますが、心配な人は以下の資料をお読み下さい。
水道水にも0.8ppmまではフッ素が含まれていても不適当な上水とはなりません。

フッ素中毒 
 過量のフッ化物を摂取することによって起こるフッ素中毒症.
 〔分類〕(1)急性フッ素中毒:フッ化物を短時間(秒,分,時)に,主に経口摂取または吸入したことによって起こる.フッ化ナトリウムとしては,成人1回250mgが急性中毒発現量.(2)慢性フッ素中毒:比較的長期間(数年間)過量のフッ化物を摂取または吸入したことによって起こる.産業職場における骨硬化症,尿中・血中フッ素イオン濃度の上昇.(3)地域限局性のフッ素症:飲料水中の高濃度フッ素飲用者(6-8ppm以上)にみられる骨硬化症(10-20年以上の継続飲用)と歯牙フッ素症(斑状歯).
 〔症状〕軽度の急性中毒発現症状としては流涎,悪心,腹痛がみられる.フッ素症の慢性症状は,デンマークのMφllerとGudjonssonら(1932)とRoholm(1937)によって明らかにされた.当時,氷晶石工場労働者にみられる慢性症として背中が硬直する“ポカーバック”,すなわち運動障害性骨フッ素症として知られていた.骨フッ素症のほかに,脊椎部の骨増殖症による脊髄や神経根の圧迫障害としての神経系フッ素症をみることもある.さらに,フッ素感受性臓器として甲状腺と腎があげられる.
 〔診断〕(1)歯牙フッ素症:分類基準に基づいて視診による鑑別または写真判定.(2)骨硬化症:X線像(骨増殖症・石灰化像),フッ素症に関与する生体負荷指標として尿中フッ素濃度(8 ppm以上),血清中フッ素イオン濃度(0.10 ppm以上)が診断の有力な検査値となりうる.そのほかに出生歴,居住歴,飲水歴と飲料水中フッ素濃度の確認が必要である.

フッ素の毒性
 フッ素に対する生体反応は,フッ化物に曝露する作業環境(氷晶石,ホタル石採石場)における運動障害性骨フッ素症や,高濃度フッ素含有飲料水地区における斑状歯発生に関する広範な疫学的研究およびフッ化物の誤飲症例報告などから明らかにされてきた.ほとんどは無機フッ化物に起因する中毒であるが,有機フッ化物の毒性としては,モノフルオロ酢酸ナトリウム(CH2FCOONa:殺鼠剤)などがあり,南アフリカに産する毒草(Dichapetalum Cymosum, Gifblaar)は,モノフルオロ酢酸をカリウム塩として含んでおり,牧場で家畜が斃死することがあるという.
 〔急性中毒〕最小致死量としては,ヒトの場合2.5-5g(NaFとして5-10g)あるいは75mg/kg(LDL)とされているが,動物のLD50は約50mg/kgである.急性中毒発現閾(最小中毒量)としては,NaFとして0.25 gとされ,体重60 kgとして約4mg/kg(Fとして2mg/kg).急性中毒症状は悪心,胃部不快感,流涎,嘔吐,腹痛,下痢などが著明である.救急処置としては,10%グルコン酸カルシウムの静脈注射,1%塩化カルシウム溶液による胃洗浄.そのほかグルコン酸カルシウム,乳酸カルシウム,石灰水,牛乳などの内服がすすめられる.
 〔慢性中毒〕歯牙フッ素症(斑状歯)と骨硬化症(骨フッ素症)がある.歯牙フッ素症は高濃度フッ素飲料水(2 ppm以上)で著明な症状(中等度,重度)がみられる.骨硬化症は飲料水由来では約8 ppm以上を長期間飲用した報告例と,フッ化物作業環境における長期曝露などで確認されている.近年では大気汚染におけるフッ素化合物の監視が行われている.冷媒剤(フレオン;有機フッ素化合物のひとつ)の大気への影響も検討されている.アルミニウム精錬工場,リン酸肥料工場周辺の感受性植物被害の報告がある.この場合ヒトの尿中・血中フッ素濃度は,生体へのフッ化物の影響をみるための“量‐反応関係”に基づいた環境汚染の指標となりうる.
(歯科医学辞典から引用)