単発シナリオ1
   
冒険の概略 冒険の導入 シナリオ本編 冒険の結末 事件の背景と冒険後の展開
シナリオの補足
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 この冒険シナリオは、累積獲得経験点が1000点〜2000点、すなわち冒険者レベルが2〜3のキャラクター、3〜6人用にデザインされています。

 一人のドワーフの神官戦士より依頼されたブローチを届けに、宿場町『ウルドゥ』を訪れたPC達は、彫像オークションの会場の中で一体の美しい石像を目にします。この石像を巡り、孫娘を探す老婆、像を持ち込んだ悪徳商人、そして忘れられた神殿に住み着いた、人を石に変える怪物「メデューサ」に関わる騒動に巻き込まれて行きます。
 前半はシティアドベンチャー、後半はダンジョン物というRPGのスタンダードな組み合わせではありますが、同時に最もPC達が活躍できる舞台でもあり、上手くプレイヤー全員に活躍の場を作る事ができるかどうかがマスターの腕の見せ所となります。

 冒険シナリオが開始する場所は、商業と芸術の国「ベルダイン」の旧市街地に設定してありますが、特にこれにこだわる必要はありません。彫像などの芸術品が流通するのが不自然にならなければ、GMは必要に応じて、冒険シナリオの舞台を自由に決めて下さい。

 このシナリオは1991年2月発行のTRPGサークル新日本ミスリルの同人誌『SNM−HOUR 創刊号』に掲載されたものに、多少の修正を加えたものです。



 

 シナリオはベルダインの旧市街、ごみごみとした下町の中の一軒の冒険者の店「美を尊ぶ者」にPC達が入って来たところから始まります。この時点でPC達の戦力が(最終的にメデューサと戦うには)貧弱と思えるのならば、この店の主人に紹介されたごく簡単な依頼(ゴブリン退治や失せもの探し等)を成功させて帰ってきたものとして一人あたま500Gの報酬と1000点の経験点を与え、各々レベルアップや買い物をさせても良いでしょう。この時、PC達に即興で手柄話をさせるのも面白いかも知れません。

 PC達が店内でくつろいでいると、一人のドワーフの神官戦士が入ってきます。彼は店の主人とは馴染みらしく二言三言言葉を交わすと、PC達の方へやってきて仕事の依頼をします。
 彼はマイリーの神官戦士で名を「ボーグナン」と名乗り、二個の対になった木彫りのブローチをPC達に渡し、それを「ウルドゥ」の町に住む老婆「セリナ」に届ける事と彼女宛の伝言後を頼みます。伝言の内容は「タイデルの近くの迷宮でこれを持った夫婦らしい白骨を見つけた。遺体は埋葬することはできなかったが、遺品を持ち帰ることができた。5年も待たせてすまなかった。」と言うものです。そしてPC達一行に合計1000Gの報酬を約束し、店の主人に預けて置くので終わったら取りに来てくれといいます。
 なぜ自分で行かないのかという質問には、


◎ウルドゥについて

 PC達が依頼を受けたのなら、ボーグナンは以下の情報を伝えると仕事の時間なのでと言って店を出ていきます。

◎情報集め

 PC達がボーグナンやウルドゥの「英雄祭」について調べるならば、以下のような情報を集めることが可能です。  ※このときマスタリングの注意として、「英雄祭」がはっきり何日後という情報は提示はしない方がよいでしょう。PC達がウルドゥの町に到着したら、ちょうど前夜祭だったというのが理想です

◎PC達が詐欺行為におよんだら

 PC達が少額の依頼に対して真面目に取り組まず、2〜3日姿を消してからあたかも仕事が終了したかのように見せかけて報酬をせしめようとするかもしれません。この場合、シナリオはこれで終了です。冒険の結末「B−1」に進んでください。新たな展開がPC達を待ち受けているでしょう。



 

◎ウルドゥの町

 PC達が町に入ると、既に町は「英雄祭」の前夜祭が始まっており、商人や旅人、近隣の村人等で賑わっています。町は自由人の街道より1キロ程山間に入った扇状地にあり、スメナ川と呼ばれる川により二分されています。住人は約40名(16世帯)、ただし「英雄祭」の前夜祭のため人口の2倍以上の人間が訪れており、町にある二件の宿屋は超満員でPC達が宿泊を希望しても断られてしまうでしょう。
 宿にあぶれた商人等は町の外にキャンプを張ったり、乗ってきた馬車で寝泊りをすることになります。(この光景は、PC達が町に入って来る際に目にしたことでしょう)
ウルドゥの町MAP

◎脅える乙女像

 PC達が「脅える乙女像」に興味を持つなら、次のような噂話を耳にするでしょう。 商人達の話 町の住人の話  広場はかなりの数の見物人でごったがえしていますが、PC達が乙女像の辺りで聞き込みをしているのなら、像の前で一人の老婆が「この像はうちの孫娘だ!」と騒ぎ始め、像を運んでいた数人の男達に「孫娘は今どこにいる!」「この人さらい共め。孫を返せ!」等と食ってかかります。その内の一人の皮鎧を着た男(ボルコフの手下)が老婆を突き飛ばして、追い払おうとします。残りの男達は只の運搬人夫なので手出しはしません。PC達が止めに入るならそれ以上は手出しをしないので、騒ぎはすぐに収まります。問い詰められても、自分達は荷物を運ぶ為に雇われたので関係無いし、何も知らないと言います。  追い払われた老婆「セリナ」は、PC達の姿を見付けると行方不明の孫娘の捜索と救出を懇願してきます。老婆の目には像の英雄達とPC達の姿がダブって見えたのかも知れません。

◎老婆からの依頼

 セリナ婆さんの依頼を受けると、PC達は彼女の家に招かれます。
 家の中はかなり質素な生活道具が並んでおり、生活は楽でないことが伺えます。PC達がボーグナンの名を出し、届け物のブローチを渡せば、彼女はPC達に一人あたり10Gを手渡し、「ありがとう。ご苦労様」とねぎらいます。この後、彼女は口数が少なくなり、更に気落ちした様子になります。また、生活用具の混じって彼女が着るには若すぎる服が2・3着干してあり、PC達が尋ねるならばこの服はリセーネの物であり、一週間程前に森へ薬草を摘みに出かけたまま帰ってきていないことを説明し、また涙します。
 また、PC達が宿に泊まれなくて困っている事を知れば、町長にかけあってくれます。

◎婚約者

 PC達が、町長宅へセリナ婆さんに伴われて来たのならば町長は快く客間を提供してくれます。
 ここでPC達が事情を話したのなら、町長の息子アンドからリセーナ救出の依頼を受けます。内容はセリナ婆さんの依頼とほぼ同様ですが、一人頭500Gの報酬が提示されます。

◎黒羊亭へボルコフを訪ねる

 PC達がボルコフを訪ね、黒羊亭へ足を踏み入れた時も相変わらず店内は超満員です。店主のガルトに聞けばボルコフは2階の部屋に手下と一緒にいることが判ります。ガルトも悪徳商人のボルコフを嫌悪しており、PCの交渉次第では部屋の鍵を借りる等の協力を得ることも可能です。

 ボルコフの部屋は2階の突き当りとその手前2部屋です。全部の部屋には鍵がかかっており、ボルコフは手前左の部屋にいます。これはガルトに聞けばすぐにわかることですが、もしガルトの協力を得ていない場合でも目標値8(難易度1)の聞き耳に成功すれば容易にわかります。
 PC達がドアをノックしたとしても、警備上の問題などと言ってボルコフ達は鍵を開けてはくれません。中央広場の一件で用心しているのです。
 PC達が強引に押し入ろうとした場合、中にいる2人の手下「ガニア」と「マーチェ」および1人のドワーフの戦士と戦闘になります。ボルコフ自身は3人をけしかけるだけで、戦闘には参加せずひたすら逃げ回ります。ただし、「ガニア」と「マーチェ」は少しでも手傷を負えば戦意を喪失して無様に降参してきます。しかし、ドワーフの戦士は決して降参しません。彼こそベルダインの町でPC達に仕事を依頼したボーグナンです。ボルコフの商隊の護衛をしてこの町まで来ていました。護衛の仕事の最中に依頼人から離れることをよしとせず、彼はPC達に仕事を依頼したのです。不器用なまでの真面目さ、頑固さの持ち主と言えるでしょう。
 ボーグナンを説得するためには、ボルコフを人質にとった上で彼の罪状を暴き立てるのが一番でしょう。さもなければ、彼は倒れるまでボルコフの身を守ろうとするでしょう。
 ボーグナンを説得するか倒すかしたならば、ボルコフはまず金でPC達を懐柔しようとし、それが叶わなければなりふり構わずに命乞いをし、すべてを話します。

ボルコフからの情報 あとは命乞いを繰り返すばかりで話になりません。

◎マーファの老司祭

 PC達がマーファ神殿にリセーネの彫像を持ち込んだのならば、司祭のシャルロットはリセーネの石化を解くかわりに条件を出します。神殿跡へ行き、人を石に変えてしまう魔物を退治して欲しいというものです。
 ここでセージの知識チェックをすることも可能ですが、魔物の姿を見ているわけでもなく判断の材料は石化したリセーネしかありませんので、チェックには−1の修正 を加えるのが適当でしょう。メデューサの知名度は12です。
 チェックに成功したのであれば、シャルロットは鏡を持っていくことを提案します。適当な手鏡は武器屋で売っていることも教えてくれます。  PC達はその様な危険は犯さずに、ボルコフの財産を使って石化を解いてもらうことを主張するかもしれません。その場合でもシャルロットは嫌な顔ひとつせずに引き受けます。ただし、寄進(NPCに魔法をかけてもらうルールに従えば6400Gになります)を受け取ることは忘れません。その一部を使って別の冒険者に魔物退治を依頼することでしょう。PC達が魔物退治を拒否したのなら、冒険の結末の「B-2」に進んでください。

◎メデューサの神殿

 神殿跡はウルドゥの町から北へ、徒歩で1日程行った先の山の中腹に空いた洞窟の中にあります。途中に大きな道はなく、細い農道や森や山のけもの道を通って行くことになります。馬車等が通行できるほどの道幅はありません。GMが望むのならば途中でウルフ等の群れと遭遇させることも不自然ではないでしょう。
 洞窟は緩やかな勾配で下っており10メートル程で30段程度の下りの階段に変わります。その両脇には松明などを掲げておくための金具がついています。

メデューサの神殿MAP

部屋1・・・礼拝堂

 30×50mのホールで、四方に通路があります。天井には四隅に絵が描かれており、それぞれ次のような絵が描かれています。

  1. (五穀豊穣)
    たわわに実ったムギの収穫の喜びを描いた絵。

  2. (縁結び)
    神殿で一組のカップルが結婚式を挙げている絵。

  3. (商売繁盛)
    両手に抱えきれないほど金貨を持った商人の絵。

  4. (家内安全)
    家族揃って和やかに食卓を囲む人々の絵。
 ホール内には所々に石像が転がっています。これは不幸にも迷い込んできた冒険者や旅人などのなれの果てです。それらは一様に恐怖の表情を浮かべていますが、中に1体ドワーフだけは勇敢にも戦斧を振りかざしたままの姿で石化しています。
 石像は、このホールに限らず神殿跡中にちらほらと見られますが、その殆どは頭や腕などが長い時間の中で欠損してしまっています。

部屋A

 10×20mの部屋で南側に通路があります。中央やや奥に豊満な女神が大きな篭を持った石像があります。台座にはプレートが埋め込まれており、「豊作を願う者よ。この篭に供物を捧げなさい。さすれば、神の加護が受けられるでありましょう」と彫り込んであります。
 この石像は、信者から供物を集め、替わりに御守りをあたえる物で、篭の上に供物(金貨・作物など)を載せると、石像の足元に穴が開き、篭が傾いて穴の中に供物を投げ入れます。すると、台座の上から御守りが出てくるわけです。そのしかけは現在も機能していますので、ある程度の重量(500g以上)の物を篭に載せれば御守りを手に入れることができます。
 穴の大きさは30×30cmであまり大きな物を入れると詰まってしまうでしょう。もちろん人間は入れません。覗き込んで見ると、ダストシュートのような傾斜のつた穴が伸びています。穴は途中で折れ曲がっているので先は見えません。特に音も聞こえないようです。
 台座から出てくる御守りは鉛を薄く加工して作った、15×8cmの板で紋章らしき模様と何か文字が彫られているようですが、ひどくくすんでしまっているので判別は不可能です。

注1:この石像のしかけは部屋B・C・Dにもあり、石像の形とプレートの文字以外はすべて同じ物です。

部屋B

 10×20mの部屋で北側に通路があります。中にはまだうら若い女神の石像が、ハート型の皿を持って立っています。
 プレートには、「愛を育む者よ、より一層の愛を実らせたいのならば、女神への信仰の証として供物を捧げなさい。さすれば貴方の愛は必ずや実るでしょう」と彫り込んであります。そのほかのことは、部屋Aと同じです。

部屋C

 10×20mの部屋で南側に通路があります。この石像は、丸々と肥った男神でが、手に古びた壷を持っています。
 プレートには、「商いをなりわいとする者よ、より一層の繁栄を願うのならば供物を捧げよ」と彫り込んであります。そのほかのことは、部屋Aと同じです。

部屋D

 10×20mの部屋で北側に通路があります。ここには鍋を持った、貧相な顔をした男神像が立っています。
 プレートには、「汝が家の幸福を願う者よ、我に供物を捧げし者よ、彼の者達に幸あらんこと」と彫り込んであります。そのほかのことは、部屋Aと同じです。

注2:この神殿の神像は、現在知られている神々の姿ではなく、すでに忘れ去られて信仰する者もいなくなってしまった神です。

部屋E

 30×50mの部屋で北側に4つの鍵穴の付いた扉があります。この扉には特殊な鍵がかかっており、奥の院の主神像が持つ魔法の鍵でなければ開けることができません。この扉を開けるには4つの鍵穴にそれぞれ鍵を差し込んで4つ同時に鍵を廻す必要があります。別々では廻すこともできません。
 中に入ると、中央部に直径10mもの大きさの井戸があります。井戸の深さは20m程で、金属のはしごで降りていくことができます。

 底は30×50mの宝物庫になっています。南側の壁には4つの穴が開いておりA〜Dの神像に捧げた供物はここにたどり着くようになっています。
 その他には、なかば朽ち果てた木製の棚や箱が整然とならんでいますが、捜索してみても錆びた古銭や砕けた宝石などばかりで価値のあるものは見つけることはできませんが、特に捜索チェックの結果が良ければ(達成値:15以上)木屑の中から500G相当の宝石を発見できます。逆に悪ければ(1ゾロ、達成値:7以下)3匹のジャイアント・ラットから不意打ちを受けることになります。

部屋2・・・奥の院

 30×30mの部屋で南側に扉があり、さらに幅10mの通路を南へ20m行った所にもう一枚扉があります。こちらの扉には鍵が掛かっており、シーフ技能による「鍵開け」の目標値は11(4)です。
 部屋の中の祭壇には一体の神像が祭ってあります。これはこの神殿の主神像で4つの顔と腕を持ち、各腕に1つの鍵を持っています。この鍵は部屋Eの扉を開けるために必要な鍵で、魔法により錆などは一切ありませんが骨董品や芸術品としての価値は殆どありません。
 祭壇には銀製の祭器(皿、器、壷、鍋)があり、しめて1000G相当があります。

部屋3・・・霊安室

 30×30mの部屋で南側に扉があります。扉には鍵が掛かっており、シーフ技能による「鍵開け」の目標値は11(4)です。
 中は壁一面にミイラが安置されています。このミイラは、代々の神官達でみな元は高価そうな法衣をまとっています。

部屋4・・・寝室

 神官達の寝室です。
 中は朽ち果てたベッドやボロボロの衣服以外何もありません。

メデューサの間

 30×30mの部屋で南側に扉があります。鍵は掛かっていません。
 中は中央に2本の柱があり、昼間であれば柱の陰からいびきが聞こえてきます。いびきの主は「メデューサ」です。眠っているモンスターから5メートル以内に近づくには、シーフ技能の「忍び足」成功しなくてはなりません。難易度はです。詳しくはルールブックの『眠っている者に対する攻撃』を参照してください。
 夜間であればメデューサは起きており、PC達がそれまでに無用心に音をたてながら行動していたとGMが判断すれば、逆に不意打ちを仕掛けられます。不意打ちをかけられたキャラクターは目標値12(5)のレンジャー技能の「危険感知」に成功すれば攻撃を回避できます。



 

A.メデューサを倒した場合・・・成功

 PC達が無事メデューサを倒し、ウルドゥの町まで帰ってきたならば、この時点で今回の冒険は成功です。リセーネはすでにマーファ神殿で元の姿に戻っており、PC達に心からお礼を言い、自分とアンドの結婚式に出席してくれるように頼みます。町長からは謝礼として(PCの数×500)G受け取る事ができ、同時に町の危機を未然に防いだ第二の英雄として、末永くこの町で称えられるでしょう。この場合PC達は1000点の経験点を得ます。

B.神殿跡から逃げ帰ってきた場合・・・失敗

 PC達がメデューサに怖気づき、あるいは深刻なダメージを受けて町に逃げ帰ってきた場合、冒険は失敗となります。もう一度、神殿跡に行ってもメデューサは姿を消してしまって、何処にも見当たりません。PC達は危険な魔物を野に放ってしまったのです。
 この場合、町長からの謝礼の額は半分となり、経験点も500点しか得ることができません。リセーネだけはシャルロットの好意により元の姿に戻してもらえますが、二人のの結婚式は、いつ現れるとも知れない魔物の影に脅えたものとなるでしょう。

B−1.PC達が詐欺行為におよんだら・・・問題外

 PC達が報酬をただ取りしようと、数日を空けて冒険者の店「美を尊ぶ者」にやってきたのなら、店の主人はウルドゥの町の様子やセリナ婆さんの家の場所などについていくつか質問してきます。でまかせを言っても、ボーグナンから必要な事項を聞き知っているのですぐに嘘と見破れるでしょう。PCがうまく答えられないでいると、主人は嘆息して「あんた達がそんな奴らだったとは・・・、俺の目も役に立たなくなったもんだ」と悲しげにつぶやくとPC達に店から出ていくように告げます。言い訳をするのならば、店内にいる他の冒険者達によってつまみ出されてしまうでしょう。  その後、数日を置かずにベルダインの冒険者の店には回状でPC達の悪行が知らせられ、ベルダイン周辺で仕事を請け負うことは非常に困難な状況に追い込まれることでしょう。
 なんらかの方法によってその場はうまくごまかしても、ボーグナンが次に「美を尊ぶ者」を訪れた時にすべてが発覚することになります。

B−2.魔物退治を断ったら・・・不完全成功

 PC達が魔物退治を断ったのであれば、シャルロットはリセーネの石化を解くのに寄進を要求します。シャルロットの技能レベルは8、「リフレッシュ」の呪文の必要精神力は40ですので、8×40×20となり6400Gが必要です。
 この場合、リセーネの救出には成功しているので不完全成功で800点の経験点を得ることができます。町長からの謝礼も全額受け取ることができますが、もし町長に寄進にかかる費用を肩代わりしてもらったのならば、謝礼を受け取ることはできません。

◎ボルコフ一味の処遇

 ボルコフ一味を捕らえているのならば、ベルダインで官憲の手に引き渡すことができます。この場合、ボルコフは手配されていた訳ではないので報奨金などはありません。もし、PC達のなかにベルダインのギルドに属しているシーフがいるのならば、ギルドとしてしかるべき制裁を加える必要がある可能性に気づくかもしれません。盗賊ギルドに引き渡すならば1000Gを受け取ることができます。
 

「より多くの経験点を与えるルール」を採用して遊ぶ場合、この冒険シナリオにおける最大の障害はメデューサで、その障害レベルはメデューサのモンスター・レベルである3です。 したがって、冒険が完全に成功した場合、使命達成によって得られる経験点は1500点となります。冒険の成功が不完全な場合は1000点、 冒険失敗の場合は500点とします。



◎事件の背景

 ボルコフが神殿跡の存在を知ったのは、手下の1人が山賊稼業をしていた頃に気味の悪い石像がごろごろ転がっている遺跡に迷い込んだことがある、という話を聞いたためです。
 そんなに石像があるのなら、売り物になるものもあるかもしれないと思い、実際行ってみてピンときました。「人を石にしてしまう魔物がいると聞いた事がある。そいつの仕業に違いない」と・・・。しかも残念なことに石像の殆どはひどく破損していて売り物にはなりそうもありません。どうやら、その魔物か何かに破壊されたかの様に見えます。
 そこでボルコフは手下に、誰かをこのホールにくくり付けて2・3日様子を見てみるように命じてからベルダインに帰ります。数日後、その手下から1体の石像が届けられます。それがリセーネでした。その見事なでき映えを見て、ボルコフはウルドゥの彫像オークションに出品する事を決めたのです。その時に彼は石像の娘がどこからさらわれて来たのかを確認することをしませんでした。頭の中はこの石像がいくらで売れるかということで一杯だったのです。
 「これからいくらでも高く売れる石像が手に入るのならば、用心のために護衛を増やしておこう。山賊くずれの手下だけではいつ裏切るか知れたものではない。」そう考え、決して人を裏切らないと評判のボーグナンを指名して護衛を依頼し、(吝嗇家のボルコフにしては異例の)前金3000Gを支払い(半ば強引に)雇い入れます。
 一方、この依頼を断りきれなかったボーグナンは、前金の一部を使ってPC達に依頼をすることとなるのです。

◎冒険後の展開

 このシナリオの設定を利用して連続したシナリオを展開するならば、例として次のような展開が考えられます。


冒険の概略 冒険の導入 シナリオ本編 冒険の結末 事件の背景と冒険後の展開

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