子ども(老人)が喉に何かを詰まらせた!息をしていない!


一般の人で喉に何かを詰まらせた場合、どうやって取ったらよいのかを知って いる人はどれくらいいるでしょう?
人工呼吸のやり方は何となく知っていても,喉に詰まった物を取り除く方法を 知っている人は少ないのではないかと思います。
消防署等の講習会でしっかりと覚えて頂くのが最適なのですが、一応ここにそ のやり方を書いておきます。


まずは背中を4〜5回強く叩く

叩く場所は背中の肩甲骨と言う骨と骨の間で,少し下側になります。
ここに強い衝撃を与えますと,喉に詰まったものが出ます。
割合安全な方法ですので、どの様な年齢の方にも通用します。
叩くときには自分の膝を立てて,その上に相手を二つ折りに乗せ頭が下になる ような格好にし、手であごを支えてあげますと取れた物が外に出やすくなります 。
また、横向きに寝かせて,あごを突き出した格好でも良いです
ハイムリック法を試みる

注!これは小学生以下には行ってはいけません。肝臓を損傷する恐れがありま す。
また,ガリガリに痩せた人には効果が薄いです。


これは講習会を受けないと難しいでしょうが、肺を圧迫してその圧力で詰まっ た物を押し出す方法です。
傷者を座らせて,その背後に回り込んで胸に両手を回します。
回した両手をみぞおちの上で組みます。
その時に片方の手を握り拳にしておきます。
そして胸を絞りながら相手の体を持ち上げるように一気に力を入れます。
こうすると肺内部の圧力が高まり、詰まった物が外に出されます。
これはかなり体に負担を掛けます。15歳以下にはしない方が良いとされてい ます。
噛まれる心配が無いなら直接取り出す。

口を開けて直接取れそうなら布を巻いた手か,器具を使って取り出します。
消防署の講習会ではお奨めはしていませんが、掃除機を利用した方法は以外と効果があるそうです。
掃除機の先に細部掃除用のアダプターを取り付けて,詰まっている物をくっつけて取り出すそうです。
そのための物が市販もされているそうです。
直接手で取り出す場合、苦しくてもがいているときに手を入れると噛まれてケガをします。絶対にしないでください。
1回で取れなければまた背中を強く4〜5回叩いてください。
それでも取れなければまたハイムリック法を繰り返します。
意識が無くなったら 心肺蘇生法 を行わなくてはなりません。
喉に物が詰まっていても100パーセント閉塞されてしまう事はないと言われています。
1〜2パーセントしか空気を送り込めなくても、諦めずに心肺蘇生法を行ってください。

心肺蘇生法を1サイクル行ったら、また異物の除去を試みてください。
取れなかったらまた心肺蘇生を1サイクルやって、また異物の除去を試みます 。
これを異物が取れるまで繰り返してください。


 大体以上のような方法が一般の方にも出来る方法ですが、喉の異物を取るのは我々救急隊員でも大変難しく、ましてや一般の人が完璧に行うのは難しいと思 います。
 しかしこれをやってあげないと助からない可能性が高いですから,どうか緊急の場合はためらわずに行って下さい。
 ただ、自信を持ってやるには、やはり消防署等で行っている救命講習を受けることをお奨めします。


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