街の移動、どうすればラクに?





 私、いや私だけじゃなく、地方都市に住んでいる皆さんは、町中の移動の不便さに困っている経験の方は多いと思います。どうすればいいのでしょうか?このサイトでは、仙台市を例にとって考えてみたいと思います。
 まず、仙台市の都市構造について大まかに見てみましょう。仙台市は全国で第11番目の政令指定都市で人口は約100万人(平成11年7月現在)、市の中心部は仙台駅周辺であり、ここには県庁や市役所などの行政地域、オフィスや商店街・国分町などの商業地域が密集しています。
 その周囲を囲むように、泉中央、長町、愛子、原町などを中心に広大な郊外区域があり、マンションや一戸建て住宅が広範囲に渡っています。(下の図)


 仙台市の概念図。(上が北) 中心部(図の”C”の部分)は、仙台駅を中心に行政・商業地域となっており、市の「中枢」となっている。
 その周囲には、「副都心」や「地域中心拠点」という形で、泉中央、長町、原町、愛子がある。それらの周囲には広大に市街・住宅地(図のオレンジ色・黄色の部分)が広がっており、鉄道の通っていない地域まで広範囲に広がっている。

 中心部を中心に東西に伸びている茶色の点線は「東西線」(あとで検討します)のルート案。 (画像出典:「みんなで考える仙台の都市計画」P12〜13より抜粋し、一部を加工)



 都市構造の特徴は他にもあるのですが、話を簡単にするためここでは中心部と郊外との関係について考えていきたいと思います。
 郊外に住んでいるたくさんの住民は、色々な事情で中心部との間を移動します。バスや鉄道が使える地域ではそれらを使う人もいますが、それを使わない人や使えない地域の人は当然クルマを使うことになります。
 たくさんの人がクルマで移動し、道路や駐車場のスペースが限界を超えると起こるのが、毎度おなじみの「渋滞」という現象です。この「渋滞」からたくさんの人々を「救済」する方法は、次の3つの案が考えられます。
     
  1. 道路や駐車場のスペースを広げてクルマが使いやすいようにする。  
  2. 中心部と郊外部を移動せずに済む都市構造にする。  
  3. 中心部に行くのにクルマを使わなくて済むように、公共交通機関を「便利」にする。
 上の3つは、文を読んだだけではいずれも救済が「可能なように見える」のではないか、と思います。3番目の「便利」にカギカッコが付いているのは、この言葉が後でキーポイントになるからです。
 まあそれはとにかくこの3つの案について、実際に行ってみたらどうなることが考えられるか、これから1つ1つ検討してみます。



←もどる 目次へ パート1へ→