切削工具や金型のパンチ・ダイ等にはハイスや超硬が多用されています。これらの材料には地球の希少資源であるタングステンやコバルト、ニッケル、タンタルなどが使用され、資源の枯渇が危惧されているところです。
私たちモノづくりの生産現場では常に効率が重視される結果、新品の工具が大量に消費されそして単に廃棄されてスクラップ業者に回収してもらっています。そして貴重なタングステンやコバルトは二度と再生されることはありません。特にタングステンはそのほとんどが中国より産出されるため、入手の不安は免れません。
そこでこうした希少資源を大量に使用している業界の私たちは、自らを守るためにもこれらの再資源化を考える必要に迫られてきました。このたび廃刃具の再資源化に取り組む粉砕業者や溶解業者と専門の引き取り業者との連携により、使用済みの切削工具や金型部品の分別回収システムを作り、リサイクル化の取組みを展開することになりました。
資源循環型の社会作りが叫ばれている現在、地球環境に与える負荷を軽減し、リサイクル・リユース・リデュースの3Rを推進するこの試みに是非とも皆様方のご理解とご協力をお願いいたします。