前の項では、市側の「LRTは『東西線』にはムリ」という答えに対する疑問についてお話しし、もう一度市長さん宛に質問したことについてお話ししました。 |
ところで、前の項でお話ししなければならないことを思い出しましたので、お話ししましょう。 |
先にお話ししたとおり、「東西線」へのLRT導入の提案に対する答えとして市側は、「東西線」にLRT導入ができない理由としてつぎの二つの文章も挙げていました。 |
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上に挙げた(1)や(2)の太文字の部分にご注目下さい。これらの文章と非常によく似た文章って、どこかで見たことがありませんか? そう・・・ |
「内閣の答弁書」(内閣参質一四五第二八号:「官報」号外平成11年10月12日号P12)にもありましたね。この「答弁書」は、我が国の政府がLRT等路面電車についてかなり前向きに捉えていることはパート3でお話ししたとおりです。 →復習:「「エール」を活かすのは私たち」へどうぞ。このページに戻るには、ブラウザの「戻る」ボタンをクリックして下さい。 |
(1)の太文字の部分の解釈は一見難しく見えるのですが、実際は、解釈によって「東西線」にLRTを導入する場合でも勾配は障害にならない、ということは以前お話ししたとおりです。 →復習:「「古い手縄」からの「縄抜け」は、できるっ!(2)」へどうぞ。このページに戻るには、ブラウザの「戻る」ボタンをクリックして下さい。 |
一方、(2)の太文字の部分はどうでしょう。以前触れたとおり、「軌道法及び同法に基づく命令については、事案に応じた適切な運用を行っている」という文章は、「軌道法に基づく命令の中にある『抜け道条文』も、事案に応じた適切な運用を行いますよ」と言っているに等しいのです。 →復習:「「古い決まり事」は、意外に「やわらか」」へどうぞ。このページに戻るには、ブラウザの「戻る」ボタンをクリックして下さい。 |
「内閣の答弁書」のトドメと言える「お言葉」をもう一度思い出してみますと・・・ |
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でしたネ。つまり、今は、我が国の政府もLRT等路面電車に対しては前向きなのです。LRT等路面電車に関係する国の省庁である運輸省や建設省だって、LRTには前向きなのです。 |
国がLRTに対して前向きであるのに、「杜の都」のお役人の方々は未だに「『東西線』にLRTはムリ」という見解を変えていません。「東北地方交通審議会」も今のところ同じような考えのようです。これって、国のLRTに対する前向きな見解や方針に逆らっていることになるのではないのでしょうか? |
(左)「平成10年度運輸白書」(運輸省編集)表紙、(右)建設省パンフレット「路面電車の活用に向けて」表紙。 これらを見て分かるとおり、我が国の交通監督官庁である運輸省・建設省もLRTに関してかなり前向きである。それにも関わらず仙台市側は「法規制があるから『東西線』へのLRT導入は不可能」という見解を変えていない。「東北地方交通審議会」も現在のところ仙台市側に同調しているようである。 仙台市等のこれら見解は、現在の政府や国行政機関のLRTに対する前向きな見解・方針に真っ向から反するものであると言えるのではないか? |
それに、「LRTに関わる軌道法や鉄道事業法の規定について適切に運用されている旨の国の見解も最近できたことから、平成16年度着工を目標としている東西線へのLRT導入は難しい」というのもヘンではないでしょうか? |
「内閣答弁書」で示されている通り、国はLRTに対して前向きです。前向きな国の見解は「内閣答弁書」だけでなく運輸省・建設省も同じなのですが、仙台市の言う「LRTに関わる国の見解があるから『東西線』へのLRT導入は難しい」ととれる国の見解などというものは、私は知りません。 |
どんな資料からの引用でお話しされているのか、これも2回目の「市長さんへの質問」でお訊きしておきました。「軌道法や鉄道事業法の規定について適切に運用されている」という文章は、「内閣答弁書」にあった文章とよく似ています。 |
これはどういうことなのでしょう? もし「内閣答弁書」からの引用だと仮定しますと・・・ |
「国からのエール」を使って「『東西線』へのLRT導入はムリ」と言い換えている |
ことになります。前向きに捉えている見解の文章を引用して「ムリだよ」といっているとすれば・・・ |
巨額の税金がかかる「東西線」計画だけに、本来はきちんと正しい情報が市民に公開されていて当たり前なのに、もしそのようなことがあったとすれば許されることでしょうか? |
「『東西線』へのLRT導入等に関する提案」に対する回答が、平成11年12月17日付で市側より送付されてきました。「『東西線』の主役」からの疑問に対してどれだけ答えているか・・・ それは、後のお楽しみ・・・ |